− タタミ王国の戦士?! − |
ターミーは部屋で2つのカップと暖かい入れたてのハーブティーを用意し、ソファーに座り入口のドアを見つめ待っていた。少しするとドアをノックする音が。
「カオリか?入っておいで。」
「ターミーおじさんどうしたの?」
にっこり笑いながら香りが部屋へ入ってきた。
「ハーブティーを入れたからカップに注いでおくれ。」
「わかったわ、ターミーおじさん。」
カオリは嬉しそうにカップに注いだ。
「おじさんのハーブティーはとても美味しくで大好きよ。」
ハーブティーの入ったカップの一つをターミーの前に置き、もう1つを両手で包こうむように持ちソファーに座った。同時にターミーが話を始めた。
「カオリ、今まで黙っていたが話す時が来たようだ。聞いてくれ。」
カオリはすぐに察した。父と母のことであると。小さい時から詳しくは話してくれず、不安で寂しく泣いてばかりいた。でも今思うと何かあったのではないかと考えていたのだ。
「実は…」
少し間を置いて話し始めた。
「ラッシュとフレグランスは、ビーンズ王国で囚われの身となっている。しかし、元気でいることは確かじゃ。ビーン王国は、ピョン王という者に支配されてしまっている。ビーンズの人々も無理な労働を強いられている。」
カオリは黙ってターミーを見つめていた。
「そして、7年の月日が流れた。ビーンズ王の言いつけ通り7年たった今タタミ王国とビーンズ王国と協力して皆を助けなくてはならない。」
ターミーは驚いた。又、カオリは泣いて落ち着いて話を続けることができなくなるのではないかと思っていた。しかし、じっと話を受け止めようとしているようだった。
「タタミ王国の戦士を送り込み、ビーンズ王国を助け平和を取り戻さなくてはならない。」
カオリが大きな声で言った。
「私も、ビーンズ王国へ行きたい。」
「それはいけない。カオリはこの国のプリンセス、戦士不在の間は、この王国も守らなくてはいけない。」
カオリはガッカリした。でもターミーの言うことはよく分かる。
「そうよね…」
ターミーはカオリの背中を軽く叩いた。
「タタミ王国の戦士は誰なの?」
「私も考えた。ビーンズの王子と同じくらいの子達をと思っている。タタミ兄弟のオモテとウラン、スメル家の子ジュウと頭の切れるラグじゃ。そしてビーンズ王国からの使者ソラと王子。ゴーザ隊の1人ジョンの7人じゃよ。」
「ビーンズの王子ってどこにいるの?」
「カオリもよく知っておる、ピース君じゃ。」
カオリは驚いた。一緒に遊んだりはしていたが、詳しく素性は知らない、皆も知らないはずだ。
「大丈夫なの、それで皆を助ける事ができるの?」
「ビーンズ王国へ着けば助けてくれる者もおるから大丈夫じゃ。」
カオリはハーブティーを飲みながら考えていた。
「カオリ、大丈夫かい?また、小さかった頃のように泣きじゃくるのではないかと思っておった…」
睨みつけるようにターミーを見た。
「ターミーおじさん、その話のせいで頭の中が混乱してるのよ。私はどうしたらいいのかしら…でも、パパとママが無事であることは間違いないから、そこは少し安心してるのよ。」
「そうか、ゆっくり部屋で考えて整理をすると良い。」
「ターミーおじさん、私が居なくてもチャン、トン、ゴンがいるわ!」
ターミーは驚いた。
「何を考えておる、まさか一緒に行こうと考えているのでは…許るさんぞ!」
「大丈夫よ、私はここに残るから。」
カオリはハーブティーを飲み干してそそくさと部屋を後にした。
ターミーは思った。妹、フレグランスの娘のことだけあって何を考えているのか大体は予想は付いていた。
「カオリには困ったものだ。この王国を継いで行かなくてはならないのだぞ…」
「さて、皆を集めなくてはな…」
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